Linux Conference 2000 Spring 開催趣意書

Linus B. Torvalds 氏によって創造された「Linux」は 今や単なる PC 用の 1 OS としてではなく, 1 つの現象としてとらえるべきものです. このことはコンピューター業界にとどまることなく, より広い範囲で Linux という語が登場している ということからもうかがえるでしょう. Linux は最初, 安定性, 柔軟性, 経済性などの面においての優位性によって注目を集めましたが, 近年では更に Linux を取り巻く環境――「オープンソース」という観点からも 注目を集めるようになってきています. Linux を育て, またその他多くのものを育ててきた, このオープンソースという流れの中で, これまで想像だにできなかった, コンピューター関連企業のオープンソースへの 理解と本格的な参加という 大きな変化も着実に進んでいます.

この劇的な変化は, Linux ユーザ層自身による活動の時代から, 一般のコンピュータユーザやビジネス層をも巻き込んだ 新しい協調の時代へと発展しつつあることを示しています. このような状況においては, 既存の Linux コミュニティの果たすべき役割が ますます大きくなりつつあります. とりわけ, 新しく Linux コミュニティに参入したいと思う 多くの人々との調整が重要となってきています.

Linux に関わるすべての人々の協調, あるいは意識共有をはかる場の必要性はさらに高くなってきています. こうした背景から日本 Linux 協会 (JLA) では, 昨年および一昨年の 12 月にそれぞれ JLA, JLA の前身の日本 Linux ユーザ会 (JLUG) として主催してきた Linux Conference を, 今年も 「Linux Conference 2000 Spring」として企画致しました.

Linux Conference では, Linux コミュニティに関わる全ての人々が一同に介して Linux を取りまく現状の相互理解と協調の足掛かりを作り, Linux コミュニティと JLA というシステムの健全な発展を促すために 問題点の洗い出しと今後の方向性を話し合うことを, 1 つの大きな目的と位置付けています. またそれによって Linux のさらなる発展と普及を促していくための会議でもあります. 具体的な内容として, 国内の Linux 関連プロジェクトや ユーザグループからの報告, 著名人による講演およびセミナー, そして聴衆参加型の全体討議などで構成し, 今年は昨年よりもさらにテクニカルな話題と ビジネスにフォーカスした話題の双方を豊富に取り揃える予定です.

この Linux Conference 2000 Spring は 2000 年 4 月 18 日(火), 19日(水), 20 日(木)の 3 日間に渡り, 「東京ファッションタウン」 (有明) で開催されます. Linux のさらなる発展のために, Linux に関わる全ての皆様方に是非参加して頂くことをお願い致します.

なお, 過去 2 回の開催を経験し, その順調な規模の拡大を鑑みまして, 今回の Linux Conference から 従来の「Internet Week」の中での開催という形態ではなく 単独で開催することになりました. またこれに併せて今回から , 春・秋の年 2 回の開催とし, JLA とソフトバンクフォーラム株式会社との 協同開催とすることになりましたことをあらかじめお知らせしておきます.

Linux Conference 2000 プログラム委員長: やまだ あきら


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