Linux Conference 2003 プログラム

2003/10/31 (金)

4階 イベントホール

演目 講演者 / 発表者
10:30 - 11:10
Linux Conference2003/関西オープンソース+フリーウェア2003 合同基調講演「オープンソースソフトウェアにおける官民の課題」
ここ数年、オープンソースがソフトウェア市場に浸透するに従い、これまで見過ごされた課題が明らかになってきた。この課題を先送りにせず真正面から取り組み解決しなければ、市場からの期待に応えられない。本講演では、昨年度実施した GPL に関する調査から法的問題と契約、本年度から始めたオープンソフトウェア活用基盤整備事業における IPA の支援体制と企業の取り組み、持続する開発を実現するためのビジネスモデルを通じて、解決しなければならない課題を考える。
[発表資料]
佐伯 俊則
情報処理振興事業協会 (IPA) 開発第二部門長
1982 年京都大学大学院情報工学専攻修了。同年通商産業省入省。機械情報産業局電子政策課 課長補佐、独立行政法人産業技術総合研究所次世代半導体研究センター 副研究センター長、東北経済産業局 産業部長などを経て、現在に至る。工学博士。
11:20 - 12:00
Linux Conference2003/関西オープンソース+フリーウェア2003 合同基調講演「『大阪市新産業創造ITビジネスモデル地区推進計画』と御堂筋周辺地区の IT 実証実験について」
平成15年4月4日、総務省の地域IT産業振興施策「IT ビジネスモデル地区構想」の指定をうけて進行中の『大阪市新産業創造 IT ビジネスモデル地区推進計画』の概要と大阪市の IT ビジネス振興施策の紹介、および、その一貫で都心部御堂筋周辺地区をフィールドとして、産官学の連携により展開を開始した先進的 IT 実証実験「ユビキタスネットワーク普及促進プロジェクト@おおさか」について説明。
[発表資料]
森田 至彦
大阪市計画調整局計画部情報化施策担当課長。1976年 大阪市立大学工学部電気工学科卒業、同年工学部研究員。1977年 大阪市奉職、大阪市環境事業局、大阪市都市整備局営繕部。企画課主査、大阪市計画調整局企画調整部企画調整課長代理、同計画部情報政策課長代理等を経て現職に至る。
13:10 - 13:45
「漢字グリフ自動生成による多漢字処理環境の提案」
部品を組み合わせて漢字グリフをオンデマンドに生成する KAGE エンジンの紹介を行う。コンピュータ上の漢字字形処理は、廉価なアウトラインフォントの普及によって一応の完成を見たが、ライセンスフリーの日本語フォントの調達の難しさや、異体字などフォントベンダーの実装しない文字の扱いなどで、再び部品合成によるグリフ生成技術に注目が集まっている。現状や目標を踏まえた全体像を紹介する。
[発表資料] / [論文]
上地 宏一
慶大政策・メディア研究科博士課程在学中。コンピュータの漢字字形処理に特に興味を持つ。京大守岡氏を中心とする CHISE project に所属している。
13:45 - 14:20
「文字知識処理環境 CHISE の基盤ソフトウェア」
CHISE (CHaracter Information Service Environment) プロジェクトではこれまで文字知識処理のためのシステムとして XEmacs CHISE(旧 XEmacs UTF-2000)を開発して来た。さらに、昨年度から libchise をはじめとする XEmacs CHISE の機能の外部化の取り組みと Ruby/CHISE をはじめとする Emacs Lisp 以外の言語処理系への取り組みを行っている。ここでは、こうした現状と今後の展望について紹介する。
[発表資料] / [論文]
守岡 知彦
京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター助手。CHISE プロジェクト創始者。
江渡 浩一郎
独立行政法人産業技術総合研究所 情報処理研究部門 情報流デザイングループ 特別研究員。メディア・アーティスト。2002 年より CHISE Project 可視化 subproject に参加。
14:20 - 14:55
「Perl/CHISE による正規表現の拡張の試み」
現在、様々な分野で用いられている正規表現であるが、古典文献の分析などにおいては、符号化文字集合に依存した従来のメタ文字では機能不足である。本報告では、CHISE プロジェクトで公開している文字素性データベースと、Perl が持つ正規表現リテラルのオーバーロード機能を組み合せることによって実現した、文字の素性に対する後方参照メタ文字の試験的な実装について報告する。
[発表資料] / [論文]
師 茂樹
花園大学専任講師。東アジアの仏教思想史、および計算機上の文字処理やテキスト処理・分析、そしてこれらすべてに関する方法論について思考をめぐらすことが目下の課題。http://ya.sakura.ne.jp/~moro/
15:30 - 16:05
「Linux PDA における外付けキーボードの設計と実装」
Linux PDA 向けの外付けキーボードドライバを設計し、SL ザウルスに実装した。このドライバは、仮想端末上でユーザアプリケーションとして動作する。仮想端末上でしか使うことができないという制約はあるが、このドライバを使うことによって、SL ザウルスを超小型の Linux マシンとしてより便利に活用できるようになった。このドライバをベースとして、さらに使いやすい外部キーボードの実装が期待できるだろう。
[発表資料] / [論文]
石島 悌
大阪府立産業技術総合研究所。エレクトロニクスとコンピュータに関連した研究、企業への技術支援業務に従事。休日は、趣味のハードウェア・ソフトウェア作りや日本橋巡回などで忙しい…らしい。
16:05 - 16:40
「linux カーネルの H8/300 アーキテクチャへの移植」
MMU を必要としない linux カーネルの実装である uClinux をルネサステクノロジ社の H8/300 CPU へ移植した。現在 linux-2.4.22 ベースのカーネルが動作しており、移植の成果はすべて upstream のソースにマージされ配布されている。また 2.6 カーネルへの対応も進めている。本論文では、これまでの移植作業の内容や今後の展開について説明する。
[発表資料] / [論文]
佐藤 嘉則
所属なし。単なる思い付きで始めたカーネルハックが予想もしなかった方向に進んでしまい、状況の変化に取り残されている。
16:40 - 17:15
「MMU なしプロセッサ用 Linux の共有ライブラリ機構」
MMU がないプロセッサ用 Linux として uClinux が開発されている。uClinux では、通常の Linux の共有ライブラリ機構は、仮想記憶機構を利用して実現されているため動作しない。しかし、共有ライブラリはメモリ消費抑制、ソフトウェア保守などに有効であり、実現の要望が強い。我々は、このたび uClinux 向けの共有ライブラリ機構を開発し、実装したので報告する。
[発表資料] / [論文]
大谷 浩司
(株)アックス。Window System GMW や超並列機向け Fortran コンパイラ、インスタント・メッセージング・システム、アバター・システムなどの研究開発に携わる。最近は、式神や axLinux の開発に従事している。

6階 E会議室

演目 講演者 / 発表者
13:10 - 14:00
「新世代のリナックス認定試験 LPIC とは?」
2000 年から始まった LPI 試験試験 (LPIC) は、2003 年 8 月末には日本国内受験者数 1 万人を突破する世界最大規模のリナックス認定試験となった。 リナックス技術者の世界標準に成りつつある LPI 認定試験問題の作り方、特徴を含めた最新情報を語る。
[発表資料]
鈴木敦夫
NEC ソフト株式会社 サーバーソリューション事業部 (Linux ソリューショングループ) マネージャー / LPI-JAPAN 理事
14:10 - 15:00
「富士通の Linux 戦略」
インターネット系サーバに加えて、企業のビジネス活動全体に Linux システムを活用する事例が増加しています。 今後はミッションクリティカルシステムへの適用が更に拡大すると予想されています。 本セッションでは、最近の Linux システムの利用状況と、富士通の Linux 戦略についてミッションクリティカルシステムへの Linux 適用のシナリオを中心にご紹介いたします。
[発表資料]
泉澤 仁
富士通株式会社 サーバシステム事業本部 Linux ビジネス推進統括部 プロジェクト部長
15:10 - 16:00
「快適な Linux デスクトップ環境を実現する統合オフィスツール StarSuite 7」
Linux をデスクトップ OS として活用するには不可欠な統合オフィスツールの最新版「StarSuite 7」がいよいよ登場。Microsoft Office との互換性強化、PDF 形式や Flash 形式への出力、サーバによる集中管理を可能にする StarSuite Configuration Manager、StarSuite を拡張するソフトウェア開発キットなど、StarSuite 7 の新機能を中心に紹介。
[発表資料]
笹沼 満
サン・マイクロシステムズ株式会社 StarSuiteスペシャリスト
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