プログラム - 2010年11月12日(金)

2010年11月12日(金) | 2010年11月13日(土)
時間タイトル発表者
9:30〜 受付開始
10:00〜10:10 開会挨拶 杉田由美子

プログラム委員長
The Linux Foundation

10:10〜10:55 オープンソースライセンス初級講座

中級者向けの模擬試験は、「GPLって何?」という初級の方には難しかったようです。  そこでまず、「ライセンスとは?」「OSSのライセンスとは?」からお話し、  ライセンスしている開発者の主に3つの考え方の概略をご紹介し、  OSSをライセンスされる意味の理解をお手伝いしたいと思います。
[講演資料]

姉崎 章博

日本電気株式会社 OSS推進センター
日本Linux協会 理事

休憩(10分)
11:05〜12:00 オープンソースライセンス模擬試験

情報知っているようでよく分かっていない方が多いオープンソースライセンス。 情報処理技術者試験の問題も利用して模擬試験(15問10分)を実施します。 解説を聞いて、あなたも少しだけ理解を深めましょう。
[問題用紙]、 [解答用紙兼アンケート]、 [解答解説]

姉崎 章博

日本電気株式会社 OSS推進センター
日本Linux協会 理事

昼食休憩(80分)
13:20〜14:10 「高度IT教育に有効なOSS」は本当か? 経験に学ぶその効果

「オープンソースソフトウェアやフリーソフトウェアはITの 教育にとても有効である。なぜならソースコードを見ること で実際の動作を学ぶことができるし、学習環境は低コストで 入手できる」...このような、IT教育におけるOSSのメリットが、 これまでまことしやかに喧伝されてきた。それははたして 本当なのだろうか。IPAによるOSSモデルカリキュラム導入 実証事業の経験に基づき、その過程で得られた様々な知見や 成果の利用方法について報告する。
[発表原稿]

飯尾淳

株式会社三菱総合研究所
情報技術研究センター 主任研究員
1994年、(株)三菱総合研究所に入社、2009年より東京農工大学 客員准教授を兼務。博士(工学)、技術士(情報工学部門)。 専門は画像処理とユーザインタフェースだが、OSSのデスクトップ 普及振興の片棒を担がされて、はや数年。辛抱強くその有用性を 説きつづけるも普及がなかなか進まず、心を痛める毎日を過ごす。

休憩(10分)
14:20〜15:10 日本初のオープンソース図書館システム
Project Next-Lプロトタイプ槐(enju)の開発経緯と現状

Project Next-Lは,次世代の統合図書館システムの仕様を,図書館員が共同で作成することをめざすプロジェクトである。 Project Next-Lの仕様を元に開発されたシステム Enjuは, 1) Web2.0時代に対応した各種の新しい機能を備えている, 2) 図書以外にWebページも図書館資料として統一的に取り扱うことができる, 3) FRBRに対応した書誌レコードの管理ができるなどの特徴をもっている。 Enjuは,オープンソース・ソフトウェアとして公開されており,誰でも自由に利用することができる。 近年,いくつかの図書館で採用され,利用がひろがってきている。
[論文]、 [発表原稿]

原田 隆史

慶應義塾大学
文学部 人文社会学科
図書館・情報系 准教授

休憩(10分)
15:20〜16:10 NILFS2 ソフトウェアツールの開発

ファイルシステムは、カーネル内の VFSとブロックデバイスレイヤーの間に作られたソフトウェアモジュールである。 このため、利用者は通常ファイルシステムの差異を意識して利用することはない。 しかし、利用者が意識せずに利用するためには、カーネル内の実装だけではなく、それ以外のソフトウェアツールが必要になる。 今回、NILFS2の利便性向上のためのソフトウェアツールの開発を行った。 開発は既存のソフトウェアに対して行った。 これにより、利用者はライブラリやツールの最新版をインストールすることでNILFS2対応されたツールを利用できるようになった。
[論文]、 [発表原稿]

関場 治朗

株式会社ウニークス CTO
東北大学工学部応用物理学科、同大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻修了。 日本IBMではAP Linux Technology Centerに所属し、Linux のためのソフトウェアの国際化に携わる。 Bash (readline)の国際化、国際化テストスイートの開発を行った。 2009年より NILFS2 の開発に参加。GNU GRUB プロジェクト開発メンバー。 平成21年度下期未踏ソフトウェア事業において sfc-tools の開発をする。

休憩(10分)
16:20〜17:10 MeeGoのAndroidプラットフォームへの移植

AndroidプラットフォームはAndroidが動作するために設計されており、 Androidを使えばターゲットデバイスの全ての周辺機器を動かすことができるよう提供されている。 しかし、Androidは日に日に進化しているため、古いバージョンでリリースされた端末は、 メーカーがアップデートを提供しない限りそのまま過去の遺物となってしまう。 そこで、MeeGoを始めとした専用デバイスに特化したLinuxディストリビューションをこうした端末に移植することで、 新たな利用価値を発見することができるかもしれない。 本論文では、Androidプラットフォームの特徴とそこへの移植方法について考察し、 さらにMeeGoを実際に移植し動作させた事例ついて紹介する。
[論文]、 [発表原稿]

天野光隆

ミラクルリナックス株式会社
Embedded System開発本部
2006年に同社へ入社し、専用用途のLinuxプラットフォームの開発、Intel Atomプロセッサ向けのシステム開発に携わる。 2007年に始まったMoblin.orgプロジェクトの開発メンバとして参加、開発ツールのメンテナンス、日本語化などを行う。 現在は、MoblinとMaemoの統合によって誕生したMeeGoプロジェクトに参加。主に移植に関する情報を公開している。 また、Linux系技術雑誌や情報処理学会誌への寄稿を行っている。

休憩(50分)
18:00〜20:00 MeeGo BOF

MeeGoは、Intelが主導していたmobilnプロジェクトと、 Nokiaが進めていたMaemoプロジェクトを統合する形でスタートした、 モバイル/インタラクティブ機器のための新しいプラットフォームです。 MeeGoの開発では、ワーキンググループの議事録等がすべて公開されるなど、 真にオープンな開発が標榜されており、誰でも自由に参加できるプロジェクト となっています。
本BOFでは、先日公開されたMeeGo 1.1など、MeeGoの最新事情について 情報交換を行います。また、MeeGo 1.1 Netbookのインストールイメージを用意しますので、 USBメモリ(1Gbytes以上)とPC(AtomまたはCore2搭載機)を持参していただければ、 MeeGoハンズオン&インストールも体験できます。 MeeGoに少しでも興味をお持ちでしたら、ふるってご参加ください。
同日午後に「MeeGoのAndroidプラットフォームへの移植」の講演を行う 天野氏も参加予定。

主催者: 風穴江(かざあなこう)

1967年青森県生まれ。青森県立八戸高校卒。テクニカルジャーナリスト、コラムニスト
1990年から「月刊スーパーアスキー」誌(アスキー刊、1998年に休刊)の編集に参加。 GNUプロジェクトなどのフリーソフトウエア動向を担当していた関係から、Linuxは、 それが公開された直後からウォッチし続けている。 1998年にフリーランスジャーナリストとして独立。そのかたわら、1999年4月から2001年5月まで、 日本で初めてのLinux専門情報誌「月刊Linux Japan」の編集長を務める。 1999年より「Japan Linux Conference」プログラム委員。