Linux Conference 2001 チュートリアル一覧
- Enterprise System への Linux 導入とそのキーポイント
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NTT コムウェア株式会社 Linux センタ チーフアーキテクト (IT 商品本部 商品企画部 システム基盤グループ) 大木一浩
近年、徐々に Linux を適用したエンタープライズシステムの構築が盛んになってきている。これは、Linux 環境が持つ優れたコストパフォーマンスやその性能、Linux に対する企業のサポート体制が確立したことや製品の対応状況が商用 UNIX と比較しても大差ないほどに充実してきたことなど、多数の要因がある。
商用 OS は、基本的にそれを出荷するベンダの研究者・開発者の思想、発想を中心に設計、製造されており、企業の持つ技術力や戦略により実装が大きく異なる。この点において、Linux は GPL で著作権が厳守されているオープンソースであり、法人、個人の分け隔てが無く自由な方向性、思想、発想を基に開発作業が展開できるという、商用 OS にはない環境を有している。ある意味、先進技術の先陣的取り込み、または異なる既存技術の融合がインタラクティブに実施される環境を築いており、まさにオープン製品として最もふさわしい OS であると言えるのではないだろうか。Linux には、このようなユーザメリットがあるからこそ、Linux だけが持つ独特の特徴を活かしたシステム方式設計や要件定義が可能な場合がある。
システムを構築する際には、一般的に普及している Water Fall Model や RAD などに代表されるシステム開発モデルを基に行われるが、この中で最も重要な「システム方式設計」や「要件定義」などは、システムの形態、プラットホームなどに限らず、共通的に実施されるものであるが、Linux が持つ商用 OS にはない独自機能、プログラミング要素などの特徴 (優位性とも言える) を用いて、商用 OS では実現不可能な方式の設計が可能となるなど、システム構築のバリエーションと容易性を提供してくれる。
システムの方式設計の観点からすれば、「より良いシステムアーキテクチャを考案し、信頼性、性能、可用性、拡張性などの要件を満足する設計を施す」ことこそが重要であるが、設計とともに採用する技術、製品全体の協調性が必要不可欠である。
本チュートリアルでは、システム構築における重要な要素である方式設計に対する考え方、信頼性、性能、可用性、拡張性などの重要な要件を満たすための技術要素について、解説する。
(9/26 10:00 〜 360 分、有料)
[プレゼンテーション(PowerPoint)] - Linux サーバでサイト構築する上でのセキュリティ
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TUNEBiZ.Net 代表取締役 岡田良太郎
Linux の用途は、ブロードバンド、ストレージサービスの多様化、データセンターの乱立などが拍車をかけ、Linux に対する期待とニーズはさらに爆発的に拡大している。本チュートリアルでは、Linux サーバをメインに iDC を構築・運用してきたノウハウや Linux のセキュアコンフィギュレーション研究開発の成果を踏まえ、- サイトのセキュリティ管理の考え方
- Linux サーバにおけるセキュリティの基本機能
- カーネルのセキュリティ機能と効果
- バックアップ、侵入検知 (IDS) の活用法
など、Linux サーバをとりまく運用的セキュリティのアプローチについて考える。なお、本チュートリアルにはセキュリティを専門とするスペシャリストのインタビューも含まれる予定である。
(9/26 10:00 〜 360 分、有料) - Linux の基本
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Linux ジャーナリスト 風穴江, 日経 BP 社 日経 Linux 編集 末安 泰三
午前と午後の 2 部構成で、Linux というものを正しく根底から理解し、応用のきく知識を身につけることを目指します。午前の部では、「 Linux とは一体どういうものなのか? 」をテーマに、単なる OS としての側面だけでなく、ユーザー環境としての側面やオープンソースソフトウェアとしての側面、ユーザーコミュニティとしての側面など、様々な角度から考えてみることで、Linux というものの本質に迫ります。さらに午後の部では、「 Linux の管理の基礎を学ぶ」をテーマに、Linux を導入するための基礎知識から、インストールや運用などについて、実演を交えながら具体的に解説します。午前の部で本質を理解し、午後の部で具体例に触れることで、効果的に Linux を「体得」できる 6 時間です。
(9/26 10:00 〜 360 分、有料)
[午前 プレゼンテーション(PDF)] [午後 プレゼンテーション(PDF)] - Perl 活用
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有限会社コンテキスト 代表取締役 近藤嘉雪
プログラミング言語 Perl の入門コース。基本データ型 (文字列、数値) の説明から始まり、3 種類の変数 (スカラー、配列、ハッシュ)、正規表現の使い方、ファイル入出力など、Perl によるプログラミングの基礎を解説する。
(9/26 10:00 〜 180 分、有料) - Ruby 活用〜オブジェクトは恐くない
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青木峰郎
Ruby は純粋なオブジェクト指向言語であり、オブジェクトに触れることなく Ruby プログラムを書くことはできない。このことは Ruby の単純さ・美しさを生みだす要因ともなっているのだが、同時に「 Ruby は難しい」という誤解をも生んでいるように思う。本チュートリアルでは実際にそれなりの規模のアプリケーションを Ruby によって設計し、書いてゆく過程を通じてそのような誤解を払拭したい。
まずはその中心となる Ruby オブジェクトについて話すことから始めよう。「オブジェクトとはなにか」。そのような問いはよく聞かれるのだが、Ruby でプログラムするうえではその問いは重要ではない。知らなければいけないことはたったふたつ、「 Ruby のオブジェクトはどのように動くか」「その動きをどのように利用するか」でしかない。
では Ruby のオブジェクトはどのように動くか。実はオブジェクトは動かない。オブジェクトは単なるデータであり、いくつかオブジェクトを保持することができ (インスタンス変数)、メソッドを発動することができる。メソッドとはなんだろうか。メソッドは、コードである。コードとはプログラムがなにをすればいいのかを記述したものである。そしてどんなメソッドが発動するかは、オブジェクトのクラスと、呼び出されるメソッドの名前によって決定する。
オブジェクトはどのように利用すべきか。それは二つの見方によって決めることができる。ひとつはデータとして見る見方。データ構造すなわちオブジェクトのネットワークをどんな形にするかの指針を与えるのがデータとしての視点だ。もうひとつはコードとしての視点である。コード、つまりメソッドに注目して見ると、実はオブジェクトは変化可能な制御構造としてとらえることができる。このふたつの視点を満たすうまいデザインとして様々な「デザインパターン」が紹介されているので、これを適用していけばうまくオブジェクトを使うことができる。
だが実際にはここが問題だ。どのようなときにどのパターンを適用すればいいのか? そのカギとなるのは「オブジェクトはスイッチ」という考えかたである。コードは変化しないが、データは変わることができる。すなわち、変えたい部分をデータに転化すればいいのだ。そうすることで、変わるべきところが変わり、変わってはいけない部分は変わらない、「いいプログラム」を書くことができるのである。
(9/26 14:00 〜 180 分、有料)
[配布資料(LaTeX)] - SOHO で使う Linux サーバの構築方法
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株式会社 SRA Linux サポートグループ 古田 敦
詳細内容:
■ Linux サーバ動向
カーネルとディストリビューションの動向。SOHO における動向
■ Linux サーバ導入
Linux のインストールからネットワークの設定。Linux の起動方法の解説 (init.d ほか)
■インターネット接続
ドメイン名の取得、プロバイダへの接続
■メール環境構築
sendmail を中心にメール環境の設定方法を解説 (pop、imap4)
■ FireWall 構築
Linux を使ったファイアウォールの構築 (ipchains nat proxy)
■ Web サーバ構築
Apache のインストール方法と環境ファイルの利用方法について解説する。Apache サーバのインストール方法。Apache サーバ環境設定 (config log)
■ SOHO 内環境設定 Samba, lpr lprng
SOHO 内での作業環境として、samba を使って共有ファイルの設定と 印刷環境の設定について解説する。
■データベース導入 PostgreSQL
Web と DB を連携させたサーバの構築を行うためのインストール作業と設定作業の 解説を行う。このなかで DB をバックエンドにおいた Web サーバを どういう風に構築していけばいいかを具体例をあげつつ解説する。
- PostgreSQL のインストールと環境設定方法。Web 動的ページ生成: PHP、Java をデータベース PostgreSQL と 連携して作成方法を解説
- PHP の導入と環境設定。PHP を使った Web ページの作成を例題をあげて紹介
- Java の導入と環境設定。JSP による Web ページの作成を例題をあげて紹介
■ Linux サーバ運用管理
SOHO クラスにおける運用環境の構築方法を解説。ネットワーク監視、バックアップ方法、バージョン管理
(9/26 10:00 〜 360 分、有料) - 組込み Linux の概要 / Linux による組込みシステム構築手法
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早稲田大学 理工学部情報学科教授 中島 達夫 (午前の部)
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社 技術部部長 木内 志朗 (午後の部)
(午前の部) 組込み Linux は次世代のインターネットアプライアンスを 実現するためのオペレーティングシステムとして最適な オペレーティングシステムである。なぜなら、複雑な インターネットアプライアンスを実現するためのネットワーク 機能やファイルシステムなどの機能がはじめから提供されて いるからである。
本講演では、以上のような特性をもった組込み Linux の概要に関して紹介する。はじめに、通常の Linux と組込み Linux との 違いについて紹介する。次に、Linux の特徴でもある オープンソースについて紹介する。その後、組込み Linux の 事例に関して簡単に紹介する。特に、実際にシステムを構築 する場合のポイントに関しても紹介する。次に、現状の Linux を組み込みシステムにおいて利用する際の 問題点に関して紹介する。特に、リアルタイム性の向上と 既存の資産の有効利用に関する問題を取り上げ、いくつかの 解決法に関して紹介する。さらに、日本エンベデッドリナックス コンソーシアムについて紹介した後、現在の組込み Linux の問題点を 解決するためどのような試みをおこなっているかに関して紹介する。
(午後の部) 組込み OS として Linux が急速に採用されてきている。本セッションでは、Linux を使用した組込みシステム構築手法とその問題点や今後の課題などに ついて解説する。
■主な講演項目
1. Linux 概要
2. 組込み Linux の現状
3. Linux の実装
3-1. ターゲットボードへの移植
3-2. ブートローダー
3-3. カーネルの移植
3-4. デバイスドライバ
3-5. ユーザーランド
3-6. ライブラリ
4. アプリケーション開発
5. スレッド/プロセス プログラミング
6. ミドルウェア
7. GUI/Browser/Java
8. デバッグ
8-1. カーネル/デバイスドライバのデバッグ
8-2. アプリケーションのデバッグ
9. 組込みシステムでの問題点
10. メモリーサイズ
11. リアルタイム性
12. ファイルシステム
13. GPL について
14. 今後の課題
(9/26 10:00 〜 360 分、有料)
[配布資料(PDF)]