カンファレンス情報

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会期: 2007.9.13〜2007.9.14
会場: 産総研 臨海副都心センター 別館
主催: 日本Linux協会 (JLA)

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プログラム

過去の開催記録

Japan Linux Conference 2007 プログラム (2007/09/13)

2007/09/13 (木) 2007/09/14 (金)
Day I
時間/トラック 題目 発表者
10:25-10:30
[JLA]
開会式
鵜飼文敏
10:30-11:30
[論文発表]
チェア:風穴江
オープンソースソフトウェアに対する最適バージョンアップ時期推定のためのソフトウェアツール
オープンソースソフトウェア (Open Source Software,以下 OSS と略す) は、 セキュリティ向上や開発・保守コストの削減のために、近年 EU 加盟国を中心 に欧米において、数多くの企業、自治体、教育機関、政府関係機関などで 支持されている。しかしながら、国内では市場に占める割合も小さく、開発 環境の整備も今一歩の状態である。特に、サポート体制や品質・信頼性の 問題は、その普及を妨げる大きな要因として考えられている。
本論文では、OSS の品質上の問題を改善するための信頼性評価ツールを開発 した。特に、本ツールの開発では、フリーのグラフ生成ライブラリである JFreeChart を使用した。これにより、グラフ描画に必要なデータセットを 引き渡すだけで高機能なグラフを生成することが可能となり、開発労力を 大幅に削減することが可能となる。さらに、オープンソースソフトウェアの リリース候補版において十分な信頼性を確認することは、正式版リリース後 のユーザに対する信頼や人気に大きくかかわるだけでなく、OSS の保守労力 の増大に深く関係する。したがって、リリース候補版の信頼性を評価すると ともに、最適なバージョンアップ時期を推定することはOSS 開発において 重要な段階となる。本論文では、最適なバージョンアップ時期の推定機能を 既存のソフトウェアツールに組み込む。
本ツールが、OSS の信頼性に関する評価指標を提示し、より高品質な各種 OSS の開発に結びつくものと考える。
[論文, 発表資料, ビデオ]
田村慶信
平成15年鳥取大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。 現在、広島工業大学情報学部情報工学科講師。オープンソースソフト ウェアの信頼性評価に関する研究に従事。
http://tamura-lab.iis.it-hiroshima.ac.jp/
SELinuxのポリシ作成時間を短縮する一考察
セキュアOS は、様々なOS に標準搭載される程に身近な技術となり、 その中でもSELinux は最もメジャーなセキュアOS である。しかし、 SELinux の設定(アクセスポリシ)の作成は、非常に時間のかかる 作業である上に、設定ミスがあると、OS 上で動くプログラムの動作 妨害となるため、ビジネス用途では敬遠されがちである。そこで、 これら二つの課題を軽減する検討を行った。検討の結果得られた 手法とテスターを用いた効果測定結果について紹介する。
[論文, ビデオ]
村田裕之
日本データコム株式会社 ITソリューション事業部在籍。 3年前にセキュアOSの一つであるSELinuxと出会い、 以降、SELinuxに関連するツールの検証・開発業務に従事。
13:30-14:30
[チュートリアル]
Kahuaによる継続渡しスタイルWebプログラミング
いわゆる継続渡しスタイル (Continuation Passing Style - CPS) を用いた Web プロ グラミングの特徴とコツ、優位性について、Kahua を用いた具体的なプログラミン グを題材として紹介する。また、Kahua の大きな特徴のひとつである「部分継続」 による抽象化と、その使いどころについても紹介する。
[発表資料, ビデオ]
備前達矢(び)
Scheme と変拍子と歌と猫を愛するプログラマ。数学と Pascal 系言語が 苦手。Gauche に出会うまでは Ruby を使っていた。 2005年頃から Kahua を 使い始め、2006年5月から Kahua プロジェクトの中の人。
14:45-15:45
[論文発表]
チェア:八田真行
小学校低学年向けUSB-KNOPPIX ―教育格差解消に向けて―
現在の初等教育課程における情報教育の重要性が増してきている。しかしまだ 発展途上である。問題点として「学校と家庭と同じアプリケーションが使えない ために効果的な学習ができない」、「すべての家庭にアプリケーション購入の負担 を要求することは、多くの家庭で学習環境の構築が難しい」、「すでに低学年次に 情報教育を行っている学校とそうでない学校に格差が生じている」などがあること が調査によりわかった。そこでそれらの調査を踏まえて我々は、Debian ベース のLinux ディストリビューションの一つであるKNOPPIX[1,2]を小学校低学年向け にカスタマイズし、USB からブートできるようにしたKNOPPIX for ESLG を作成 した。USB ブートにすることにより、ポータビリティー性が向上し、データの 保存が可能になった。これによりいつでもどこでも自分の学習環境を持ち運ぶ ことが可能になり、上記の問題点を解消できると考えた。以降でその詳細を 述べる。
[論文, 発表資料]
山内賢幸
専修大学ネットワーク情報学部
OSS デスクトップの普及を阻害する Web コンテンツの分布状況
WWW (World Wide Web) の世界的な普及によって、その上で公開される Web コンテンツも膨大な量になっている。コンテンツの作成に当たっては、 HTML (Hyper Text Mark-up Language)、スタイルシート、JavaScript など の標準仕様化された技術が用いられる。しかしながら、それを実装する Web ブラウザは、製品ごとに標準仕様への準拠度や解釈の相違、さらには 独自仕様の追加等によって完全な互換性を保たないため、特定のブラウザ のみに対応したコンテンツが産み出され続けている。本稿では、昨年実施 した Yahoo! Japan カテゴリに登録される20万サイトという大規模なコンテ ンツ調査の結果から、日本におけるブラウザ間で非互換問題を引き起こし ている Web コンテンツの分布状況を明らかにし、利害関係者ごとの対策を探る。
[論文, 発表資料]
伊藤宣博
(株)アルゴ21 研究開発センター所属。研究員。IT アーキテクト。 「オブジェクト指向分散処理環境 OZ の研究開発」(1996)、「EJB 拡張再利用技術 の開発」(1999)、「総合 ERP フレームワーク Triple J の開発」(2001)、「OSS ワー クフローシステム運用基盤 Nautica」(2004)、「ウェブコンテンツの相互運用性 を改善するフィルタリングサーバ TouchUpWeb の開発」(2005)、「OSS デスクトッ プの普及に資するWebコンテンツ互換性向上に関する調査」(2006) など、数々の 研究プロジェクトに従事。 1963 年生まれ。福島県在住。
関連リンク
・Nautica Workflow http://nautica.sourceforge.jp/
・TouchUpWeb http://www.touchupweb.org/ja/
16:00-17:30
[BOF]
Linux カーネルドキュメントの日本語訳の活動とコミニティへの参加について
従来 Linux カーネルソースツリー内にあるドキュメント類は全て英語で あったが、2.6.23 でいくつかの日本語版ドキュメントがソースツリーに 取り込まれた。これらは本BoFの進行役他が JF (http://www.linux.or.jp/JF) において翻訳したものである。
本 BoF ではまず、進行役らが翻訳および本流へのマージを働きかけるに 至った経緯と、マージの過程においてコミュニティで行われた議論と合意事項、 そこで得られた情報について紹介する。
より多くの開発者が参加し、より広範な意見に基づいて開発を行うことは、 これまでと同様今後も Linux カーネルが成長するための重要な要素である。 Linux の開発コミュニティは英語圏のみならず全世界に広がりつつあり、 非英語圏の開発者に対してもより開かれたものへと変貌を遂げつつある。 翻訳版ドキュメントのソースツリーへのマージは、これに対応した動きの 一つである。
このような状況の変化をあわせて報告するとともに、Linux カーネル開発 への参加を日本からより一層積極的に行うためには今後何をすべきか、 会場の参加者とともに議論したい。
[発表資料]
進行: 池田宗広、柴田次一
共に NEC コンピュータソフトウェア事業本部 OSSプラットフォーム開発本部 在籍。主な活動領域は、Linux カーネルの組み込みおよびエンタープライズ 分野向け開発および調査。
17:45-19:15
[BOF]
Linuxデスクトップの普及を支援する「ヘルプPC」プロジェクトと将来展開
Linuxはサーバ分野での活用は進んできたが、デスクトップでの利用はごく一部 に留まっている。その理由のひとつとして、「どのディストリビューションが最 適なのか」「所有している周辺機器がきちんと動作するのか」といったことがわ かりにくい、ということが挙げられよう。 本プロジェクトでは、このような問題に対処するため、ハードウェア、ドライ バ、ディストリビューション、アプリケーションに関する情報や、実際に動作し たという情報を蓄積し、上記のような疑問に簡単に答えられるようなデータベー ス仕様の作成とプロトタイプツールの開発を目指している。 当日はプロジェクトの紹介とプロトタイプツールのデモの後、本プロジェクトの 拡大、普及に向けた議論をしたい。
* 会場では、プロトタイプツールのCD-ROMを配布する予定です。ご試用の上、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。
[発表資料]
進行:清水浩行
株式会社三菱総合研究所 情報技術研究センター 研究員。 学校への導入実証実験、技術開発、人材育成など多方面 からオープンソースソフトウェアの普及と促進に取り組 んでいる。
  • 受付開始は 10:00 からです。
 
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